密集した街中でいかに居住性の良い空間を創ることができるか、また、美しい街並みができるかを金沢町屋の創りに学び現代に新しい町屋デザインを取り入れた共同住宅を造り出す方法を考えています。
計画地は、金沢市の伝統環境調和地域に指定されており、隣接する伝統的環境保存地域やこまちなみ保存地域の伝統的な街並みとの調和が必要な地域である。

当敷地は、前面道路側(南側)が、都市計画道路により既に Set.Back.Line が設定されており、必然的に6200mm後退した位置での配置計画となり、当建築は敷地の形状に合せ単純な長方形型おし、西、南側道路の2方向からアプローチする配置とした。

1階は、建築物の用途として必要な駐車場、駐輪所を確保する為、ピロティとし、地域性に考慮した自転車置場が外部から直接見えにくい配置計画とし、ピロティの一部に木製格子を使用する等、景観に配慮した。

等建築の形態意匠については、奇抜な形状や突出した形状とせず、屋外会談やバルコニー等も建築物本体と一体化したデザインとし、屋外会談にはタテ格子型手スルをしようし、バルコニーには腰内壁に干物用フックを配置し、外部から洗濯物が見えない様に配慮した。

特に、前面道路側(南面)は、外壁の一部に平安の時代より使用されてきた千鳥格子をモチーフとした色彩の外壁デザインとし、カーテンウォールの内パネルはグレー色とするなど、全体にグラデーションをかけ威圧感、圧迫間を与えない様、色彩や素材分節化の工夫を考えた。

植栽計画については、全て竹で統一し、種分け(蓬莱、唐、オロシマ、寒黒竹、カムロ、稚児笹、真竹等)により、各所花壇にメリハリをつけます。
また、周辺の洋風の歴史的建造物も考慮の上、重層性が感じられる景の趣きを生かした建築とし、魅力的な街並み景観の保全、形成を考えています。